
2011年09月29日
シナイ山で十戒・・・ ではなく 後悔 の巻
夢のような沈船ダイビングの翌日、まだ疲れも残っている状態だったが、ほぼ同じメンバーでシナイ山に登ることになった。
シナイ山は、予言者モーセが神から十戒を授かった所といわれている。 ここしばらくは、身近に海がある生活をしていたので、久しぶりに山を見たい衝動に駆られていた。
シナイ山への登頂は深夜から開始して、山頂で朝日を拝めるというのがポピュラー。 夕方、山で食べる弁当を作り(おにぎりだけだが・・・)、山頂で乾杯をするためのウォッカも買って準備万端!
「山頂は寒いから、寝袋を持っていったほうがいい」という忠告に、荷物になるし気合でどうにかなるだろう!! という甘い考えで、持っていかなかった。 それが後で後悔することになるとは・・・
夜10時、ツアー(送迎だけ)の集合場所へ行き、バンに乗り込んで出発!! 約3時間後、シナイ山へ到着した。
ダハブでは夜でも30度近い気温だが、ここではすでに15度を切っている。 吐く息が白い。 早くもフリースのジャケットを羽織った。 入り口付近で「ガイドはどうだ?」 と言われる。 もちろんそんなものは断るが、話によると登頂の際、必ずガイドをつけないといけないらしい。 理由は、道に迷って行方不明者が出るからとのこと。 実際歩いてみると、確かに何本か分かれ道があり、暗いから道に迷う要素はあるのだが、歩いている人が多いからその人たちについていけば絶対に迷うことはない。 ガイドは要らなかったが、入り口で警察によるチェックがあったため、仕方なくガイドを雇うことにした。(交渉して、一人当たり30ポンドが15ポンドに)
ガイドが人を集め、10人くらいになったところでようやく出発。 グループ名は「ミミ」!!
夜道は暗いから、小型の懐中電灯を持ってきたが、月明かりのおかげでいらない位明るい。
夜風が涼しく感じる中で歩くのは、小説の「夜のピクニック」のようである。
調子良く歩いていくが、先頭の欧米人は歩くペースが早い。(リーチの差か) 日本人チーム(?)はいつも最後のほうである。 その度にガイドが「ハリーアップ」と急かしてくる。
そんなに急がなくても十分に間に合うから、「はいはい。」と適当にあしらう。
ガイド料は前払いではなく頂上で払うことになっているので、ガイドとしては、一人でもいなくなっては取り分が減る。 それで、皆一緒に行かせたがっているのだ。
「ヘイ、チーム・ミミ! ハリーアップ!!」 10分に1回のペースで急かすガイド。
だんだん、むかついてくる。
しばらくしてガイドが「15分休憩をする」と言い、登山道にある小さなお店で休憩を取った。 そこでのお茶やコーヒーは値段が高いので、各自持参している水やお菓子を食べて休憩をしていた・・・・・がっ、3分後、突然 「出発する」 と言い出した。 理由はお店で何も買わなかったからである。(多分なにか提携していて、売り上げの一部がそのガイドに入る仕組みか?)
あまりにも自分勝手なガイドだったので、ちょっと汚い言葉を言って 「俺はお前が最初言ったとおり、15分休憩する。 お前は勝手に行け!!」 と言ってきっちり休憩をした。
次の休憩で「なにか問題あるか?」というガイドに、「(ガイドが)早すぎる」という俺と、「(ガイドが)うるさすぎる」という、けいいち君の答えを適当にあしらっていた。さすが、エジプト人である! いい意味でも悪い意味でも・・・
歩き始めて2時間後、足がパンパンになってきている。 一応歩くのは自信があったが、昨日のダイビングの疲れが残っていて思うように進まない。 道も頂上に近いせいか、急な登りになっている。 でもなんとか頑張り、登り始めて3時間後、ようやく山頂(標高2,285 m)についた!!
頂上は思ったよりも風が強く、その風はめちゃくちゃ冷たい!! しかも登山してきた直後で、汗も掻いている。 寝袋を持ってこなかったことに後悔をした。 貸し毛布もあったが、10ポンド(約200円)もする。 今、思えばそんなに高くないが、ダハブの海辺のレストランで、美味しい朝食を食べれることを考えると、どうしても毛布を借りれない。 だが、朝日が出るまで岩の上でじっとして待たなくてはいけなく、どうしても寒さに耐えられない ><
仕方ないので、持参したウォッカをがぶ飲みして暖をとる。 こうして飲むと、キルギスにいた頃を思い出す。 何回か山でテント泊をして、毎晩こうしてウォッカを飲んで寒さをしのいでいた。
だがその時は、メチャクチャ疲れていたのかもしれない。 そんなに沢山飲んでなかったが、気がつくとすごく酔っていた。 ウォッカのおかげ(?)か、寒さに耐えながら寝むることができた。 しばらくして、友達に起こされて朝日を見たが、酔いと寒さであまり感動がなかった(><)
少し酔いがさめて、周りを見渡すとその絶景にびっくりした。 木が一本も生えていない岩山が、辺り一面に広がっている。 理由はない、とにかく絶景だ!!!





「キヨ君、やばいって! めっちゃ酒臭いよ~」 と、我らが隊長のけいすけサンが心配してくれる。そういえば軽い二日酔い(?)みたいな感じで、頭が痛く気分が悪い。
すぐに下山するのは無理だったから、少し休んでゆっくり下っていった。 帰りの道は行きと違って、急な道を下っていく。 千鳥足で恐る恐る下っていく。



途中、足を2回ひねったが、何とか半分までおりてホッとした時、バランスを崩して後方に転んでしまった!
幸い、背中にしょっていたリュックサックが、クッション代わりとなり怪我をしなかった・・・・・ だが、しばらくすると、背中からお尻にひんやりする。 汗も掻いていないのに、なんだか水っぽい。 嫌な予感がしてリュックを開けると、中に入れておいたウォッカのビンが割れている(><) もちろん、中の荷物はウォッカまみれ!! 酒臭いし、ビンのかけらが散らばって危険。 仕方なくそのリュックを担ぎながら、相変わらずの千鳥足で下山した。 すれ違う人は皆、嫌な顔をする。 辺り一面、酒臭を撒き散らしているからである。 そんな冷たい目線に耐えながら、ようやくふもとに着いた!!
頂上で見た風景よりも、下山できたことに感動している自分に気づく。
宿に帰りすぐに昼寝をしたかったが、ウォッカ臭の荷物とリュックを洗った。
その後ひと眠りしたが、目を閉じると、あの声が聞こえてきた。
「チーム・ミミ!」 「チーム・ミミ!」 「チーム・ミミ!」 「チーム・ミミ!」
「チーム・ミミ!」とウォッカ臭、これがシナイ山の思い出である。
俺っていったい・・・
シナイ山は、予言者モーセが神から十戒を授かった所といわれている。 ここしばらくは、身近に海がある生活をしていたので、久しぶりに山を見たい衝動に駆られていた。
シナイ山への登頂は深夜から開始して、山頂で朝日を拝めるというのがポピュラー。 夕方、山で食べる弁当を作り(おにぎりだけだが・・・)、山頂で乾杯をするためのウォッカも買って準備万端!
「山頂は寒いから、寝袋を持っていったほうがいい」という忠告に、荷物になるし気合でどうにかなるだろう!! という甘い考えで、持っていかなかった。 それが後で後悔することになるとは・・・
夜10時、ツアー(送迎だけ)の集合場所へ行き、バンに乗り込んで出発!! 約3時間後、シナイ山へ到着した。
ダハブでは夜でも30度近い気温だが、ここではすでに15度を切っている。 吐く息が白い。 早くもフリースのジャケットを羽織った。 入り口付近で「ガイドはどうだ?」 と言われる。 もちろんそんなものは断るが、話によると登頂の際、必ずガイドをつけないといけないらしい。 理由は、道に迷って行方不明者が出るからとのこと。 実際歩いてみると、確かに何本か分かれ道があり、暗いから道に迷う要素はあるのだが、歩いている人が多いからその人たちについていけば絶対に迷うことはない。 ガイドは要らなかったが、入り口で警察によるチェックがあったため、仕方なくガイドを雇うことにした。(交渉して、一人当たり30ポンドが15ポンドに)
ガイドが人を集め、10人くらいになったところでようやく出発。 グループ名は「ミミ」!!
夜道は暗いから、小型の懐中電灯を持ってきたが、月明かりのおかげでいらない位明るい。
夜風が涼しく感じる中で歩くのは、小説の「夜のピクニック」のようである。
調子良く歩いていくが、先頭の欧米人は歩くペースが早い。(リーチの差か) 日本人チーム(?)はいつも最後のほうである。 その度にガイドが「ハリーアップ」と急かしてくる。
そんなに急がなくても十分に間に合うから、「はいはい。」と適当にあしらう。
ガイド料は前払いではなく頂上で払うことになっているので、ガイドとしては、一人でもいなくなっては取り分が減る。 それで、皆一緒に行かせたがっているのだ。
「ヘイ、チーム・ミミ! ハリーアップ!!」 10分に1回のペースで急かすガイド。
だんだん、むかついてくる。
しばらくしてガイドが「15分休憩をする」と言い、登山道にある小さなお店で休憩を取った。 そこでのお茶やコーヒーは値段が高いので、各自持参している水やお菓子を食べて休憩をしていた・・・・・がっ、3分後、突然 「出発する」 と言い出した。 理由はお店で何も買わなかったからである。(多分なにか提携していて、売り上げの一部がそのガイドに入る仕組みか?)
あまりにも自分勝手なガイドだったので、ちょっと汚い言葉を言って 「俺はお前が最初言ったとおり、15分休憩する。 お前は勝手に行け!!」 と言ってきっちり休憩をした。
次の休憩で「なにか問題あるか?」というガイドに、「(ガイドが)早すぎる」という俺と、「(ガイドが)うるさすぎる」という、けいいち君の答えを適当にあしらっていた。さすが、エジプト人である! いい意味でも悪い意味でも・・・
歩き始めて2時間後、足がパンパンになってきている。 一応歩くのは自信があったが、昨日のダイビングの疲れが残っていて思うように進まない。 道も頂上に近いせいか、急な登りになっている。 でもなんとか頑張り、登り始めて3時間後、ようやく山頂(標高2,285 m)についた!!
頂上は思ったよりも風が強く、その風はめちゃくちゃ冷たい!! しかも登山してきた直後で、汗も掻いている。 寝袋を持ってこなかったことに後悔をした。 貸し毛布もあったが、10ポンド(約200円)もする。 今、思えばそんなに高くないが、ダハブの海辺のレストランで、美味しい朝食を食べれることを考えると、どうしても毛布を借りれない。 だが、朝日が出るまで岩の上でじっとして待たなくてはいけなく、どうしても寒さに耐えられない ><
仕方ないので、持参したウォッカをがぶ飲みして暖をとる。 こうして飲むと、キルギスにいた頃を思い出す。 何回か山でテント泊をして、毎晩こうしてウォッカを飲んで寒さをしのいでいた。
だがその時は、メチャクチャ疲れていたのかもしれない。 そんなに沢山飲んでなかったが、気がつくとすごく酔っていた。 ウォッカのおかげ(?)か、寒さに耐えながら寝むることができた。 しばらくして、友達に起こされて朝日を見たが、酔いと寒さであまり感動がなかった(><)
少し酔いがさめて、周りを見渡すとその絶景にびっくりした。 木が一本も生えていない岩山が、辺り一面に広がっている。 理由はない、とにかく絶景だ!!!





「キヨ君、やばいって! めっちゃ酒臭いよ~」 と、我らが隊長のけいすけサンが心配してくれる。そういえば軽い二日酔い(?)みたいな感じで、頭が痛く気分が悪い。
すぐに下山するのは無理だったから、少し休んでゆっくり下っていった。 帰りの道は行きと違って、急な道を下っていく。 千鳥足で恐る恐る下っていく。



途中、足を2回ひねったが、何とか半分までおりてホッとした時、バランスを崩して後方に転んでしまった!
幸い、背中にしょっていたリュックサックが、クッション代わりとなり怪我をしなかった・・・・・ だが、しばらくすると、背中からお尻にひんやりする。 汗も掻いていないのに、なんだか水っぽい。 嫌な予感がしてリュックを開けると、中に入れておいたウォッカのビンが割れている(><) もちろん、中の荷物はウォッカまみれ!! 酒臭いし、ビンのかけらが散らばって危険。 仕方なくそのリュックを担ぎながら、相変わらずの千鳥足で下山した。 すれ違う人は皆、嫌な顔をする。 辺り一面、酒臭を撒き散らしているからである。 そんな冷たい目線に耐えながら、ようやくふもとに着いた!!
頂上で見た風景よりも、下山できたことに感動している自分に気づく。
宿に帰りすぐに昼寝をしたかったが、ウォッカ臭の荷物とリュックを洗った。
その後ひと眠りしたが、目を閉じると、あの声が聞こえてきた。
「チーム・ミミ!」 「チーム・ミミ!」 「チーム・ミミ!」 「チーム・ミミ!」
「チーム・ミミ!」とウォッカ臭、これがシナイ山の思い出である。
俺っていったい・・・
Posted by キヨドコ at 02:52│Comments(0)